スポンサーリンク

上記の広告は、30日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by だてBLOG運営事務局 at

2007年09月09日

連載小説『東京堕天使〜マリアと下僕たち〜』

第11回最終章・清算される過去…編その1『無罪モラトリアム〜僕はここにいる〜』

全ては快人のシナリオ通りだった。ライブのスタッフを買収し、リハーサル中にマリアのワイヤーを切れやすいように加工。マリアは目論み通り転落し、ステージには茜が立った…快人はもはや、茜を『メジャーにすること』だけにこだわっていた。
マリアを茜にしたてれば…その人気が持続すれば…茜はマリアになれる。立川麻美さえいなければ…
その試金石になったのが今回のツアー。茜は見事に代役をこなし、マリアになった。快人は更に、その先のシナリオを描いていたのだろうか…
「マリアさんが…殺された?!」
12月20日、横浜アリーナでのライブ終了後。楽屋に戻った茜の元に、日野から衝撃の連絡が入った。
「…殺されたまでは言ってないだろう…何でも、自宅近くの公園で体を何ヵ所も刺されて倒れていたのが発見されたらしい。…出血がひどく、危険な状態だそうだ。病院の場所を教えるから、茜君もすぐに来てくれ!」
いても立ってもいられなくなった茜は、電話を切るなり楽屋を飛び出した。
(まさか…マリアさんがこんなことになるなんて…)
病院に向かう途中、罪悪感にも似た寒気を感じた。
(…私が思い上がってマリアさんを邪険にしてしまったから…こんなことに…どうしよう…)
また、所々に快人の顔も頭に浮かんだ。
(快人さんもマリアさんをよく思っていなかったはず…まさかこの件に絡んでいるんじゃあ…)
様々な不安が茜の体を駆けめぐる。だが、横浜アリーナは新横浜、マリアのいる病院は葛西。その道のりは遠い…
(お願い…早く着いて…!)

  続きを読む


Posted by 横浜から来た山羊 at 23:11Comments(0)